ぷらぷらカメラ ひトリ歩き

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2004年 10月 13日

ALS(筋萎縮性側索硬化症)その10

夜、実家に行くと、確かに額と鼻にでっかいガーゼを貼って、鉄仮面のようになった父の姿があった。
申し訳なさそうに小さくなっている。

うわ〜、えらい大げさだなあ〜!痛い?
つまずいたんだって、骨折しなくてよかったね。
俺も明るく大げさに驚きながら笑って話かける。
しょげている人に心配顔を見せる必要は無い...

父はしゃべらない、しゃべってもそれが言葉にならないからだ。
どんな声かは誰でもすぐ体験出来る。
舌を全く動かさずしゃべってみて。
意味不明の発音にしかならないはず。

筆談も父は苦手だ。
人生の中で作文てやった事あるの???という文章になってしまう。
誤字脱字は数限りなく、思い違いから来る妙な表現もあり、
本人を目の前にして暗号解読に四苦八苦する有様...
それでも、お互いそれを笑いながら解いていくのはそれなりに楽しい。
う〜ん、本当に勉強嫌いだったんだなあと思いながら...

とにかく父は旅行を台無しにしてしまったと、責任を感じているようだった。

そんな父の横で母が笑いながらその時の様子を話す。

ちょっと眼を離した時に後ろでドシーンて音がして、お父さんが仰向けにひっくり返ってて、眼をまんまるに見開いていたけど、呼びかけても全然返事がなくて、脳がやられちゃったんじゃないかと思った。
その後正気に戻ったので駐車場までみんなで降りて、一時間待って救急車で病院へ。
顔中血だらけだったけど、たいした事が無くてよかった。

充分たいした事だよ!ツッコミを入れる。

父も鉄仮面の下からニヤリと笑う。

まあ、痛かっただろうけど擦り傷だけで済んで良かった。忘れられない思い出になったね。
俺は父に笑いながら言った。
父もまたニヤニヤ笑った。

忘れないさ...

by falcon65 | 2004-10-13 17:26 | ALS筋萎縮性側索硬化症


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