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2007年 06月 29日

ALS(筋萎縮性側索硬化症) その35 最後に

ALSとは何か

ここまでの話はこちらから




途中何度も書くのが止まってしまいました...


今回でこのシリーズは終了致しました。
長い時間お付き合い下さいましてありがとうございます。






*** ALSという病気についてボクが見聞きした事を書いています。興味がない方は読み飛ばして下さい ***


この内容に興味の有る方は下のMOREをクリックの上、先にお進み下さい。








ALSを発病した父の様子がどのようなものだったか、このエントリを書く事によって、情報を必要とされる方の役に立てれば、父も喜ぶだろうと思い書き記す事にしました。
書きはじめの頃はこんなに長引くつもりは無かったのです。
ボクの見た事、感じた事を集中して短期で書き上げてしまうつもりでした。

ところが一度筆が止まってしまいます。
父のALSについて書き出した事によって、考えまい、思い出すまいと思っていたある怒りが再び大きく吹き出してしまったからでした。
こんな事をわざわざ書く為に始めたのではない。この内容は必要とされる情報ではない。
そんな思いと、一度湧き上がってしまった激しい怒りがぶつかり、どうにも書き続ける事が出来なくなりました。

そしてそのまま放ったらかしに…
でもボクのブログを訪ねてくださる方の検索ワードの上位に、「ALS」「筋萎縮性側索硬化症」という語句が常に有り、やはりきちんと最後まで書く事が人の役に立ち、そしてそれが父への供養になると思い、再び書き始めます。
ボクも父がALSと診断された時、その2つの語句であちこち検索して、父の病気について何でも知ろうとし、その情報の少なさに途方に暮れたのを忘れる事が出来ませんでした。

再開して書くのは、どんどん弱って行く父の姿の描写です。
ボクが見聞きした事をそのまま記憶をたぐって書いていきます。
しゃべれなくなる、転びやすくなる、飲めなくなる、食べられなくなる…
その様子を書いていくうちに、ボクはある事について迷い始めました。
この先は父の「死」について詳しく書かなければいけないけれども、それが果たしてALSと診断された方の役に本当に立つんだろうか?
治療法が見つかっていないこの病気について、患者である父の例ではあるけれども、最後まで書くのが良い事なのだろうか?
誰も知りたくないのではないか?
そしてまたここで止まってしまいます。
書き続ける勇気がありませんでした。

そしてまた放ったらかしになっていた時、コメントをいただきました。
ALS患者のご家族の方からです。
先が気になる…
そうですね。
どんな情報でも知りたい。
ボクもそう思っていた事を思い出しました。
尻切れとんぼでは情報を必要とする方の役に立てません、父への供養にもなりません。
最後まで書く事がボクの義務だと思いました。

感情的な部分を出来るだけ無くしたつもりですが、やはりどうしても全て消す事は出来ませんでした。
読みにくい部分が多々あったと思います。お詫び致します。

たくさんの方からコメントをいただきました。
そのひとつひとつが力になって、最後まで書く事が出来ました。
本当にありがとうございます。

そして「ALS」「筋萎縮性側索硬化症」の語句を検索されて、このブログに来てくださった方へ。
何と申し上げれば良いのか言葉が浮かびません。
父の場合はとても進行が早いものでした。
父の場合はとても極端な症例です。
全ての方のALSがこのように急速に進むものではないはずです。
この病も新しい医学が治せる日が来るように、心からボクは願います。

そして医療、医薬にたずさわり、このブログを読まれた方へ。
これも心からのボクのお願いです。
希望を奪わないでください。
希望を持たせてください。
新しい治療法、新しい薬が一刻も早く必要です。

最後まで読んで頂きました事を深く感謝いたします。
ありがとうございました。

by falcon65 | 2007-06-29 23:41 | ALS筋萎縮性側索硬化症


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